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葬送のフリーレンのゼーリエについて考察。特権を守る大変な立場!

葬送のフリーレン
記事内にアニメ好きによる広告が含まれています。

2023年9月から放送が開始された
葬送のフリーレン

(出典元:AV watch)

累計部数800万部を突破した大人気作。
2024年1月より、第2クールが放送中ですね。
高い人気と期待に応えてくれている作品です

 

さて、3月1日に放送された
「#25 致命的な隙」
フリーレンとゼーリエが会話をする
回想シーンがありました。


ゼーリエ(出典元:アニメ『葬送のフリーレン』公式サイト)

そこに登場したゼーリエの台詞は
非常に考察しがいのあるものでした。
彼女の立ち位置について、考える余地があるのです。

 

というわけで今回は、ゼーリエの台詞を題材に
彼女の立ち位置、そして特権というテーマを考えてみましょう。
是非、最後までご覧ください!

 

ゼーリエはどんな台詞を言ったのか

さて、まず最初は
該当するゼーリエの台詞を
確認してみましょう。

フリーレンから、フランメの遺言状を渡された時。
ゼーリエはその遺言状の意図を察知し、
こう言います。

人類の誰もが
魔法を使える時代がやってくるんだ。これは遠く無い未来に
人類が魔王軍に抗う力を
手に入れることを意味する。

 

そしてそれを「すごいこと」と認めたつつ、
フランメの遺言状を破り捨ててしまいます。
聞き入れられない、と言うのです。

誰もが魔法を使える時代だと?

魔法は特別であるべきだ。
才ある者以外に教えるつもりはない。

しかしこのやり取りをしたのち、
フリーレンと外に出て会話をした時に
ゼーリエはまた違う一面をのぞかせます。

時代の流れを分かっているゼーリエ

ゼーリエはフリーレンと外に出て、
フランメの思い出話を聞かせます。

フランメの人物像や功績を語る姿は
「気まぐれで育てた」とは言えない程に
フランメを気にかけていたようです。

 

そして、道の端までたどり着いて
こう語るのです。

これから先は
時代が加速するぞ。たった千年だ。
たった千年で
人間の時代がやってくる。エルフ(わたしたち)は
人間に追い抜かれる。

ゼーリエは紛れもなく、
時代の流れが見えているのです。
自分たちが追い抜かれる、と分かっている。

そして、いかに沢山の魔法を集め
魔法の高みに上り詰めた彼女でさえも、
時代の流れを避けられないとも分かっている。

 

以上が、ゼーリエとフリーレンの会話。
ここでゼーリエの気持ち、というか置かれている状況を
ちょっと考えてみたいと思います。

 

ゼーリエは「特権」を守る立場

端的に言ってしまうと、
ゼーリエは魔法使いという「特権」を守る立場
これが発言を大きく縛っています。

この立場でものを言わなければいけないため、
誰もが魔法を使える世界というのは
いろんな意味で許容できない状況なのです。

主なポイントは、ゼーリエにとって2点です。

  • 魔法が特別である
  • 自分たち「魔法使い」が特別である

この2つの観点から、
「誰もが魔法を使える世界」がどんなものになるか。
彼女の危惧を読みとってみましょう。

魔法が陳腐なものになってしまう

まず、誰もが魔法を使えるとどうなるか。
一部の人だけが使えていたものを、
皆が使えるようになったらどうなるでしょう?

魔法という特別なものが
誰でも使える「陳腐なもの」になってしまう。
特別でなくなってしまうのです。

 

魔法を特別なものにしていたい。
魔法に対して敬意を抱いているからこそ、
ゼーリエは「誰もが使える世界」が許せないのです。

これが、フランメの遺言状を破り捨てた
1つ目の理由でしょう。

魔法使いが立場を失ってしまう

次に出てくる危惧はこちら。
こちらの方が大事かもしれません。
誰もが魔法を使えたら。

魔法以上に陳腐になってしまうのが
「魔法使い」という立場です。
才能が無くても、魔法は使われてしまうのですから。

 

魔法への敬意だけならいざ知らず、
こちらは実害を被る人たちがいます。
例えば、作中の世界ではエルフ達などが
受けている敬意を失ってしまう、などですね。

彼女の背に居る人たちの立場を守る必要があった。
だからゼーリエはこの提案を
簡単に許容するわけにはいかなかったのです。

 

現実世界でも「特権」は失われてきた

さて、このゼーリエの立ち位置やセリフを
「そんなこと言っても仕方ないじゃないか」と
思う人もいるでしょう。

「そんな特権にしがみついて」とか
否定的なことを言いたい人もいるでしょう。

でも、特権を持つ側の人間は
特権が失われていくことに耐えられない。
特権が自分のアイデンティティになっているからです。

こうしたことは、現実世界でも起きています。
歴史上起こった事例と、
今現在起きている事例の2つを挙げてみましょう。

例1:武士から「戦の特権」が失われた

日本の歴史で一番あげやすい例は、
江戸から明治にかけて引き起こされた
武士による抵抗でしょう。

銃や大砲などの兵器が導入されることで
武士が担ってきた「戦う」という特権
奪われていきました。

 

何かあった時に戦場に立てる、というのは
武士にとってのアイデンティティそのもの。

それが消えてしまうことに対して、
耐えられる武士は少なかったでしょう。
反乱が起きるのも当然だったわけです。

例2:生成AIが「クリエーター」の特権を奪う?

今現在起きている例として挙げられるのは、
生成AIが台頭してきたことで
クリエーターが危機を感じている事です。

創造する、という行為を
生成AIにより肩代わりされてしまったら。
クリエーターたちは立つ瀬をなくします。

 

「みんなが綺麗な絵を描ける」
「みんなが素敵な音楽を作れる」
こうしたものは、創る側にとっては脅威なのです。

「ただ創れるだけ」では技術の力に負けてしまう。
それは多くのクリエーターにとって、
アイデンティティを喪失する事と同義なのです。

 

ゼーリエは「特権のための壁」を引き受けた

さて、ここまでゼーリエの立場について
考えてきたわけなのですが、
では最後になぜゼーリエが
魔法使いの試験を主催しているのかを考えてみましょう。

これは、魔法使いの特権を保つための
ゼーリエの精一杯の抵抗と考えられます。

 

魔法を習得するための門戸は開かれている。
そこで魔法の評価を行うことで
魔法使いの特権を守っているのです。

昔は「相伝」だった技術を「資格」にすることで
質と特権の2つを守ろうとしているのですね。

 

いつか人間に追い抜かされることを知っているから、
特権を保つことをゼーリエは選んだわけです。

自分が評価する側、得るための障壁となるという
孤独な立場を選んだわけです。
ゼーリエも大変なんですね。

 

まとめ

如何だったでしょうか?
今回は、葬送のフリーレンの第25話に出た
ゼーリエの台詞から彼女の立場を考察してみました。

  • ゼーリエは特権を守る立場
  • 魔法と魔法使いを守らないといけない
  • 資格制にすることで特権を守る

という事が分かりましたね!

 

葬送のフリーレンは、ファンタジーとしても面白いですが
現実世界でも大事な概念である
「時間」や「権威」など、いろんなことを考えるのに
とてもいい題材だと思います。

葬送のフリーレンを通して
世の中についてあれこれ考えてみるのも
面白いと思いますよ!
是非お試しあれ!!

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このブログでは葬送のフリーレンについて
いろいろな解説も行っています!
本編オープニングについての解説はこちらの記事をどうぞ!
ヒンメルの名前の意味フリーレンの名前の意味についても是非!

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