2023年、あの超有名作品が
再び放送されることになりましたね！
るろうに剣心！
(出典元：TVアニメ「るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-」)
ビジュアルを新たにし、
豪華なキャストでこの7月から
放送が開始されましたね。
さて、第20話と21話の「第零幕」前編・後編で
敵役として登場した石津が
「天然痘の種」を持ち出した場面がありました。
アニメ『るろうに剣心』第21話より(出典元：dアニメストア)
天然痘とはワクチン開発の発端となった疾患で、
自然感染に限定すれば
WHOが根絶を宣言した疾患ですね。
ですが、るろうに剣心の時代背景などを踏まえると
この「天然痘の種」とは
物凄く恐ろしい生物兵器ともいえる代物です。
それほどに恐ろしいものなのか、という疑問を持った方。
そんな方に向けて今回は、
天然痘について解説をしていきたいと思います。
また、現代でも恐ろしい疾患としての側面が
消えた訳では無いという事も
この記事を読んでいただければ分かると思います。
是非、最後までご覧ください！
なお、今回の参考文献は
MSDマニュアル プロフェッショナル版と
NIID 国立感染症研究所ホームページ、
本の万華鏡
という3つのサイトをベースにお話しします。
天然痘ってどんな病気？
そもそも天然痘とはどんな病気でしょうか？
天然痘という病気は、
ウイルスにより発症する致死率の高い感染症です。
また治癒した場合でも体に瘢痕が残るため
社会的な生きづらさも抱えてしまう
非常に難儀な疾患です。
日本では江戸時代に定着し、
「美目定めの病」と忌み嫌われていたという記録も。
徳川幕府の将軍も罹患したと言われている程
感染力が非常に強い疾患です。
発熱の後に全身に皮疹が出現。
弱毒性のウイルスなら致死率は1%未満ですが、
強毒性の場合は20～50%もの致死率。
非常に恐ろしい疾患です。
治療法って何があるの？
そうなると気になるのは、
治療法には何があるのか、というものです。
現代であれば特効薬があるのでは。
しかし残念ながら
天然痘への特効薬は存在しません。
基本的に対症療法と予防治療しか手立てはありません。
ワクチンを開発したウェゲナーが
今も尚有名であり続けているのは
「治療法がない疾患への対応法を発明した」という
偉業によるものです。
1849年、蘭館医モーニッケにより
日本でも予防が成功し、
その後日本全国に予防法が広まりました。
それまでは本当に打つ手が無かったのです。
天然痘の種の恐ろしい所って？
さて、では作中に登場した「天然痘の種」。
これが「生物兵器」とすら言えるのはなぜか。
それは、自然感染こそ生じていないものの
人為的な感染は防げないからです。
こんな暴挙はまさに病気を生物兵器として扱う事。
アニメ『るろうに剣心』第21話より(出典元：dアニメストア)
天然痘は吸入または直接接触により感染するため
もしこの瓶が割れていたら
本当に流行り病として広まっていた可能性もあります。
フィクションだからできる描写ですが、
現実でこんなことをすれば
間違いなく法や力で裁かれることでしょうね。
現代でこそ恐ろしいかも？
もう一つ、これは時代的な背景なのですが
類似の事態が起こってしまった場合
現代の方が悲惨な結果を起こすかもしれません。
なぜなら、現代は自然感染が根絶されたことで
予防接種を行わなくなったためです。
事実、現代で接種を行うメリットはほぼありません。
るろうに剣心の時代、明治時代であれば
牛痘の種痘接種による予防が行われていた
可能性もあります。
ただしそうだったとしても、
医師が自ら病を広げようとするなど言語道断。
正直、石津には診察をして欲しくないです…。
まとめ
如何だったでしょうか？
今回は、るろうに剣心に登場した
「天然痘の種」から解説をしてきました。
・天然痘という疾患について
・特異的な治療法はない
・人為的な感染は生物兵器のようなもの
ということが分かりましたね。
天然痘を含めて、ウイルス感染は
現代でも広まった場合の対応が
非常に難しい感染症です。
それを人為的に広めようというのは、
ヒポクラテスの誓いやWMAジュネーヴ宣言など
医師として守るべき規定を完全に無視した行い。
対処が困難である現代だからこそ、
こうした規範を一人一人が守ることが
重要になってきますね。
るろうに剣心は、いよいよ大詰め！
残りのエピソードでどこまで進むのか。
楽しみに待ちましょう！！
るろうに剣心をまだ見てない、
という方は是非
↓こちらをクリック↓
他にも、このブログでは
いろんな作中の映像解説もしています。
るろうに剣心第1話の映像解説はこちら。
鬼滅の刃の映像解説はこちら。
Follow me!
コメント